教育業界にはこのような言葉があります。

「数学は3流の講師でも点数を上げられる、英語は1流の腕があれば可能、国語は超1流でも難しい」

どの教科の点数が一番上がりやすいですか? と聞かれたら、迷いなく「数学」だ私は応えます。

数学の点数アップはどこで躓いているのかという点を認識することから始まる

数学に限った話ではないですが、自分がどのような部分を苦手としているのかを認識することは非常に大事です。

当たり前と言えば当たり前なのですが、各人が置かれている状況によってやるべきことは違いますし、苦手としている分野は違います。

現在1年生なのか3年生なのかという点でも大きく異なります。

勉強を始めるには当たり前ですが、早ければ早いほど効果は出やすくなります。

純粋に計算問題が苦手な場合

数字を学ぶと書いて数学ですので、基礎的な計算部分が苦手ですと他の部分も当然苦手になります。

計算が苦手と言っても生徒さんによってその度合いは様々でしょう。

中学生における計算の苦手度合いを以下のように分類してみました。

レベル1:整数の四則計算が苦手(小学校低学年の数学で躓いている)

レベル2:分数や小数の計算が苦手、もしくはできない

レベル3:代数(XやYを使った)計算が苦手

レベル4:方程式が苦手

レベル5:関数が苦手

特にレベル2で躓いている中学生が多いように感じます。

「数学が苦手」と言っている生徒の90%ぐらいは小数や分数の計算が苦手な傾向にあるように感じています。

1年生ならまだ良いのですが、3年生になっても苦手、もしくはできないという生徒も珍しくなく、そのまま大人になってしまったような人もいます…

分数の計算が出来ずに例えば関数などをいくら勉強しても身に付きません。

分数の掛け算ができないのに関数を習うことは小学生が微分積分をやるのとまったく変わらないことなのですが、誰にも指摘されないとそのまま授業だけが進行してしまいます。

「数学が苦手だなぁ」と思う生徒はまず、小学校高学年の教科者を引っ張り出し、巻末にある計算問題を解いてみましょう。

少しでも間違える問題があれば要注意です。

小学生の学習内容が十分ではないため、基礎的な計算力をもう一度しっかりとつける必要があるのです。

数学はピラミッドのように土台がしっかりとしていて初めて次の単元に進めますので、分からないところが少しでもあると全体がバラバラと崩れてしまいます。

整数や分数の計算が出来なければ代数計算は出来ませんし、更に上に方程式の計算、関数などを勉強しても無駄です。むしろ混乱するのでしない方がよいとさえ言えるでしょう。

義務教育の関係上生徒の理解度とは関係なく授業が勝手に進んでしまうのですが、学力を身に着けさせると言う面では不合理に感じています。

本来は、前の単元をしっかり理解してから次の分野に進むべきなのです。

勉強はしてるつもりなんだけど点数が上がらないという場合原因は必ずと言って良いほど過去の分野の理解が不十分であるということです。

今一度現在の自分の計算能力がどのレベルにあるのか見つめなおしましょう。

文章題が苦手な場合

・単位の概念が苦手(速さや距離の計算など)

・代数を置き換えるのが苦手

現代文の文章とは違い、数学の文章題の抽象度は低く、その意味が分からないということはディスクレシアなどを抱えている場合を除きほとんどないと思います。

ですので国語が苦手だから文章題が解けないという訳ではありません。

文章題が苦手である理由の80%ぐらいは「単位の概念が苦手である」ということだと思います。

例えば時速60キロ+時速60キロで時速120キロになるということはあり得ません。

二台の車が合わさればスピードが倍になる!ということはないのです。

こうやって説明されればあり得ないと分かる人でも、平気でこのような計算式を作ってしまいます。

原因は単純に小学生の分野の理解不足です。

それ以外ですと代数を何に置き換えればいいのか分からないという問題もあります。

何をXとおくか、何をYと置くかですね。

この部分は解答をよく読み、後日またとき直しをしてみる、とき直しをしたら類似問題をやってみるということが重要になります。

中学生の学習範囲で出てくる問題類型というのはそこまで多くはありません。

簡単に言えば習うより慣れろの精神で問題パターンを覚えてしまうのが最も速いと言えます。

図形(幾何)が苦手な場合

・実は純粋に計算が苦手

・各図形の性質を覚えていない

中高一貫校などは代数と幾何の授業を分けているところもありますね。

図形が苦手という場合、そもそも計算が苦手な場合も結構あります。

例えば相似の問題は比の問題が出来なければそもそも計算できません。

三平方の定理は二次方程式が解けなければ同様に計算が出来ません。

ですので、図形が苦手という場合そもそも計算問題がしっかりできているのかを見極めることが重要です。

それ以外ですと各図形の性質を覚えていない場合が多いと言えます。

直角三角形の合同条件を知らずに証明の問題を解くことができないという風です。

問題を解く前に最低限覚えなければならない知識があり、それが身についているのかをもう1度チェックするのがよいでしょう。

特に証明と関数は苦手とする生徒が多い印象

千葉県公立入試問題では証明と関数は必ずと言って良いほど出題されるのですが、年度によっては白紙率が60%を超える場合があります。

白紙と言うのはとりあえず何も書いていない状態ですので、正答率はさらに下がります。

関数は計算問題の、証明は図形問題の頂点にあたる分野ですので苦手意識があるのは当たり前と言えば当たり前なのですが、如何に公教育が崩壊してしまっているかを示す例となっていますね。

数学が苦手な人は恥ずかしがらずに小学生の勉強からしっかりやることが定期テストおよび実力テストで点数を取るための最短距離だと知るべし

現在の公教育の欠点は後ろに戻って勉強するということをしないという点にあると思っています。

躓いたら躓きっぱなし

補習などもやらなくなりました。

教師はわが身が大事な公務員教師が増えてきましたし、教員採用試験の中立性には大いに疑問があります。

それはさておき、何かが苦手だと思ったらどこが苦手かを分析しなければなりません。

そして苦手な箇所を重点的に勉強し、理解することが大切です。

幸い今ではスタディサプリのように自分で分野を選んで受講できるスタイルの通信教育なども増えてきました。

「能わざるにあらず やらざるなり」

古代の思想家孟子の言葉です。

現代風に言えば

「できねぇんじゃねぇ、やらねぇだけだ」

と言った感じでしょうか。

天は自ら助ける者を助けます